小泉首相の靖国神社『公式参拝』に対する抗議声明、

並びに今後、『公式参拝』を行わないことを求める要望

 

内閣総理大臣 小泉 純一郎 殿

 

 私たち日本キリスト改革派教会は、我が教会の創立宣言』並びに『教会と国家に関する信仰の宣言の立場に則り、本年1月1日に行われた小泉首相の靖国神社『公式参拝』に対し、以下の理由により強く抗議するとともに、今後、『公式参拝』を行わないよう強く要望します。

 

1.首相の靖国神社『公式参拝』は憲法の政教分離規定への違反です

戦前の日本は、政教一体の国家神道体制によって天皇崇拝と神社参拝を国民とアジアの人々に強制し、個人の信教の自由、思想信条の自由を著しく抑圧してきました。現憲法の政教分離規定は、そうした戦前の国家神道体制に対する反省を踏まえ、国家と宗教を厳格に分離するために設けられたものです。私たちの教会も、政教分離の原則を「近代国家の知慧たると共に聖書の教えに適ふもの」(創立宣言)であると信じています。

しかし、小泉首相は首相就任以来4年続けて靖国神社参拝を行いました。総理大臣という公職にある者が、その肩書きを用いて靖国神社に参拝することは明かに『公式参拝』であると言わざるを得ません。首相は自らの靖国参拝の意図を「戦没者に対して哀悼の誠を献げるため」等と語り、『公式参拝』であることが明かであるにもかかわらず、意図的に公私を曖昧にして靖国参拝を繰り返してきました。首相をはじめ行政の長が、国家神道の中心であった靖国神社に『公式参拝』することは、政教分離の原則を定める憲法第20条3項の規定に違反することであり、法治国家の総理大臣としては許されない行為です。

 

2.首相の靖国参拝は侵略戦争の反省を反故にするものであり、アジア諸国との友好と信頼に反するものです

 日本はかつて軍国主義によってアジア近隣諸国を侵略し、莫大な数にのぼる尊い命を奪うというあやまちを犯しました。日本政府は1994年8月31日「戦後五十年に向けた村山富市首相談話」を通して、過去のあやまちの反省を国の内外に表明しましたが、小泉首相が靖国神社に参拝することは、その反省を反故にする行為であり、アジアの人々との友好と信頼を裏切る行為です。当然のごとく、中国や韓国をはじめとする多くの国々から強い反発が起こりました。

 小泉首相が日本人の「戦没者に対して哀悼の誠を献げるため」という理由で靖国参拝を続けることは、侵略を受けたアジア諸国の人々の尊厳を傷つけ、信頼に基づいた友好的関係をつくりあげていこうとする努力を無にするものであり、決して許されるものではありません。私たちは、和解の主・救い主であるイエス・キリストを頭とする教会として、このような国家的為政者によってなされるあやまった行為を見過ごすわけには行きません。

 

 以上の理由により、私たちは小泉首相の靖国神社『公式参拝』に強く抗議するとともに、小泉首相が日本国憲法第99条の「憲法尊重擁護義務」を遵守し、今後、一切、靖国神社『公式参拝』を行わないよう強く要望します。

 

2004年10月22日 

                  包括宗教法人  日本キリスト改革派教会

                  代表役員・大会議長 山 中 雄 一 郎 





小泉首相の靖国神社『公式参拝』に対する抗議声明、並びに今後、『公式参拝』を行わないことを求める要望書を出すことの提案

提案者  「宣教と社会問題に関する委員会」


提  案:
 
200411日に行われた小泉首相の靖国神社「公式参拝」に抗議し、今後「公式参拝」を行わないよう下記の要望書を出すことを提案します。

提案理由:
 小泉首相の靖国神社参拝は、我が教会の「創立宣言」、「教会と国家に関する信仰の宣言」に表明された教会と国家に関する信仰の認識から見て許されない行為であり、憲法の政教分離原則に違反するものでもあります。また、和解の福音の光と、「聖霊の支配が国民生活と国際関係において善をみのらせ悪を根絶されるように」(
30周年宣言)という教会の祈りから見ても、アジアの諸国と信頼に基づいた友好関係つくりあげていく国となるよう要望することは、教会の大切なつとめであるからです。

 
※本抗議声明に関しては、日本キリスト改革派教会宣教と社会問題委員会の承認により、
  掲載しています。


COPYRIGHT(C) 2004 日本キリスト改革派教会 ALL RIGHTS RESERVED